Home > 流体解析(Fluid Flow Analysis)で液体と気体の動きを把握
流体解析(Fluid Flow Analysis)とは、流体の運動方程式であるナビエ–ストークス方程式などによって液体や気体などの流体の動きを計算して、3次元画像にすることで見える化する手法です。見えない流体を3D画像で可視化することで、空気抵抗や運転条件などに応じた最適形状を設計できるようになります。
流体混合シュミレーション
ティー継手の流体合流部の解析結果
フレームのエアロ効果解析
カーボンフレームのエアロ効果の解析
流体解析では、構造解析や熱解析と比べて計算量が桁違いに増えることから、並列計算の得意なスーパーコンピューターが計算に適しています。解析結果として流速や圧力、ベクトルなどのデータが得られ、そのデータを3Dに可視化すれば流体の流れを分析することができます。
流体解析は航空産業や自動車産業の設計で使われるイメージが強いのですが、コンピューターの高性能化により短時間・大容量の計算が可能になったため、身近な用途に対しても適用できるようになりました。
形状(3DCAD)データ
流体解析では、配管内の流体のような内部流体と、航空機の翼周りの風の流れのような外部の流体解析の2種類の解析が可能です。内部流体の場合は、配管のような外部形状は必要ありません。一般的に、STL、IGES、STEPの3種類のデータ形式であれば多くの解析ソフトで読み込めます。
流体の種類
窒素、水素などの単体、水や空気、重油、ガソリン、海水などの化合物、混合物について解析可能です。また、物性値がわかっている流体であれば解析可能です。
圧力・速度
流体の速度または圧力を解析条件として設定します。また、乱流運動エネルギー(turbulence kinetic energy)や 乱流エネルギー散逸率(turbulent energy dissipation rate)も設定できます。
流体の流れる方向
流体の入り口と出口を設定します。左右同一形状であれば、半分だけ解析することで計算量と計算時間を短縮することができます。
流体解析を活用すれば、直接見ることができない流体の流れを可視化することができます。さらに流体と物体の相互作用を数値化できるため、科学的な設計が可能になります。
例えば、競技用の自転車はエアロ形状の導入により、空気抵抗が大幅に減りました。流体解析技術の進歩により、軽く・早く・快適な自転車フレームが制作できるようになり、アワーレコードの記録向上につながっています。
アワーレコードの競技年 | 1時間に進んだ距離(km) | 1972年との差(km) |
---|---|---|
1972年 | 49.43km | - |
1997年 | 56.70km | 7.27km |
2000年(1972年と同様の機材) | 49.70km | 0.27km |
フレームの裏側の空気の流れを可視化
対象の形状、速度等の様々な要素によって、空気抵抗の大きさは変わります。上記の自転車フレームの例のように、流体解析を含むCAEを活用すれば、複数の条件(強度があり壊れにくく、さらに空気抵抗の少ない形状で軽い等)を満たす設計・開発が可能になります。
「導入を検討していても、流体解析は難しそうで二の足を踏んでしまう。」「解析ソフトと専用のパソコン費用を考えるとためらってしまう」という声をお聞きします。
そこで、流体解析アウトソーシングサービスをおすすめします。解析は全てKDYエンジニアリングが行うため、お客様は解析以外の仕事に集中することができます。
スーパーコンピューターを使って解析を行います。そのため、お客様による一般的なパソコンを使った解析と比べて、大規模・高速処理が可能で、短時間で結果を確認できます。
KDYエンジニアリングが解析を行うため、お客様は初期費用を抑えることができ、また計算のためにパソコンを1日中使用するといったこともないため、人材・設備の効率的な運用が可能になります。
KDYエンジニアリングのCAEサポートで最先端の解析が利用可能になる
スーパーコンピューターを用いたCAE技術により、最先端のものづくりを支援します。スーパーコンピューターを利用するCAE技術を、企業の規模を問わずに活用できる環境を整えることで、設計を効率化するお手伝いをさせていただきます。
構造解析・熱解析・流体解析を取り入れた設計に興味があれば、いつでもお問い合わせください。私たちは、お客様の挑戦を喜んでお手伝いさせていただきます。